四万十川の遊び方研究。地元中学生の協働の川レポート

取り組み

協働の川プロジェクトとは、自分たちの住んでいる四万十川流域で生きてきた大人と、これから地域内外で生きていく子供たちが学びあい、改めて大人が子供に伝えていくことで、大人も子供も四万十川流域にある、ヒト、モノ、コトのすばらしさを再確認することを目的としています。

四万十ドラマは、2019年4月から地元十川中学校と一緒に中学生が知りたいことをサポーターとしてこれまでサポートしてきました。

そして、2019年11月3日に行わた文化祭では、それぞれのチームが調べた内容をまとめて発表し、集大成を迎えました。

調べるテーマは「四万十川」「栗」「花とび・花とり」「川遊び」「のぼりん」の5つ。

今回は「川遊び」チームの活動をサポーターに取材しました。

四万十川チームの記事はこちらから

今と昔の川遊びのハイブリッドを作る!!

1回目のワークショップで各チームは、一番最初に目的を決めて、その目的に向けて活動していきます。

川遊びチームの目的は「今と昔の遊びを組み合わせた新しい遊びを提案したい」。

…めっちゃ楽しそう。

大人がそう思うくらいなので、中学生の興味にクリーンヒット。調べるテーマを各グループで決める際、川遊びのテーマは定員オーバーになり、決めるのにじゃんけんをしなければならないぐらい人気のテーマでした。

サポーターのご紹介!

川遊びチームのサポーターは、サップ、ラフティング等の川遊びが趣味の四万十ドラマスタッフ。十和でラフティングやカヤックなどの体験ができる「四万十川・川遊び公園 ふるさと交流センター」で地元ガイドもしています。まさに適任!

このサポーターと共に中学生は川遊びを体験したり、調べたりしました。

まずは今の遊びを知ろう!

7月に行われた2回目のワークショップはそれぞれのチームが学校を飛び出し、それぞれが知りたいことを知っている大人に話を聞きに行きました。

川遊びチームは、中学生が今の遊びを知らないので、今の遊びを体験してもらおう!ということで、ラフティングに行く!!

予定でした。。。

7月の高知は台風直撃月間。このワークショップの直前にも台風がやってきまして、四万十川は大荒れ。ラフティングなんでできるもんじゃありませんでした。

同日、川遊びチームの近くでワークショップをやっていた、四万十川チームの様子です。
沈下橋が沈下している…!

そのため、ラフティングは断念し、地元のラフティングやカヤック、レンタサイクルなどを行っている「四万十川・川遊び公園 ふるさと交流センター」の管理人さんやラフティングのガイドさんから今と昔の川遊びのことについてお話を伺いました。

ラフティングやサップとは何かという話から、こんな遊び方があるという紹介までしていただきました。
また、実際にライフジャケットを着てみたり、触れたことのなかったパドルを触ったりしました。

「中学生にとって、今の川遊びについての話は知らなかったことが多かったようで、ラフティングだけではなく、見たことのないサップやたくさん種類のあるカヤックのことを知れて、新鮮そうでした。」(サポーターより)

夏休みの宿題!どうなる…?

夏休みはどのチームも宿題を作成し、中学生にヒアリングや、アイディアを書いてきてもらいました。
ただ、川遊びチームは、2回目のワークショップで今の川遊びを体験することが出来なかったので、夏休み期間中に実施するようにしました。

今の中学生は私の記憶よりもはるかに忙しく、部活があったり、補習があったり、体育祭の練習があったり、遠くから通っている中学生はバスの時間があったりとなかなか中学生同士で時間を合わせるのが難しく、全員が集まれたのは1回のみ。自分たちだけでイカダを試作したときは4人しか集まることが出来ませんでした。

何とか集まることが出来た川遊びチーム。あとは夏休みに集まって何をしたかを宿題のシートに記入し、大人に昔の川遊びについてヒアリングを行い、体験した今の川遊びとヒアリングした内容を組み合わせて新しい川遊びを考えるのみ!

夏休み明けに提出された宿題は、半分ほどは記入されていましたが、肝心の新しい川遊びを考えるところを描いていたのは2~3人のみ。現実は甘くありませんでした。。。

3回目のワークショップで方向転換が…

今と昔の川遊びを組み合わせた新しい川遊びの提案をするべく、活動してきた川遊びチームですが、3回目のワークショップで大きな方向転換がありました。

「新しい川遊びの提案」から「ラフティングを学校行事にしたい」に方向転換したのです。
5回しかないワークショップの中でやり切るにはハードスケジュールの内容だったので、「新しい川遊びの提案」までたどり着くのは難しかったようです。

3回目のワークショップについて、サポーターはこう話しました。
「当初、四万十川を身近に感じてもらうために、川での遊び方を知って、新しい遊び方を考えようという目的で『今と昔の川遊びを組み合わせた新しい遊びを提案する』という目標を立てていました。しかし、学校行事に四万十川でのラフティングを取り入れることで、川遊びの機会を設定し、中学生が四万十川を身近に感じる機会を作ることが出来ると考えました。なので、私たちは、川遊びチームの目標を『ラフティングを学校行事にする』というものに再設定しました。」

4回目のワークショップでは学校行事にするためのPR動画の撮影を行い、サポーターが動画の編集を行いました。
動画撮影から2週間後に5回目のワークショップがあり、編集が行われた動画のお披露目と、約10日後に迫る文化祭本番に向けての調整が行われました。

川遊びチームでは、動画についての意見が出たり、発表のタイムテーブルを作成して、誰が何をどのくらいの時間話すのか等を決めていきました。

さあ、文化祭本番!

11月3日の文化祭当日。
たくさんの発表が行われる中、協働の川プロジェクトの発表の時間になりました。
川遊びチームはなんとトップバッター!
見ているこちらも緊張してしまいました。

川遊びチームの発表は、夏休みに行ったラフティングの感想や、自分たちで作ったイカダの紹介、最後はラフティングの動画で締めくくっていました。

川遊びチームは、全員がヘルメットとライフジャケットを着用して登場。左端の中学生が持っているのはカヤックのオールです。

そして中央にあるのが、夏休みに自分たちで作ったイカダ。その名も「ちんぼつまる」。
由来は、「すぐに沈没してしまったから」だそうです(笑)

サポーターより

「協働の川プロジェクトは自分の好きな分野だったので、プロジェクトの時間は楽しかったです。今の子供たちには十和地域でやっている川のアクティビティを知らない子が多かったなと感じました。大学生や社会人になったとき、協働の川プロジェクトで経験・体験したことで、自分の地域を他の人に自慢できるようになっていたら、面白いと思います。そして、自分の地域の魅力を他の人に自慢できた経験が、地元に戻ってくる展開になるかもしれないなと思いました。自分が経験・体験してきたことが一番魅力的に話せるので、この協働の川プロジェクトでの経験や体験がいつか地元に戻るきっかけになればいいなと思います。」

川遊びチームは、特に天候に左右され、思うようにワークショップが進まず、忙しい中、発表できる形にまとめ上げてくれました。ラフティングをしているときの中学生の満面の笑みがとても印象的で、素敵だなぁと思ったハナでした。