四万十ドラマとは
高知県西部を流れる四万十川。四万十川には、大きな橋を架ける技術がなかった時代から対岸をつなぐ橋が顕在しています。
その橋の名前は「沈下橋(ちんかばし)」
高くない、大きくないこの橋は、自然に逆らわず、長い年月で人々の暮らしを支えています。
沈下橋は、台風などの大雨で川の水かさが増すと、沈んでしまいます。そして、水かさが減ると顔を出し、いつも通り対岸をつなぎます。
今も昔も対岸をつなげている沈下橋のように、地域の生産者とお客様の架け橋になりたい。
こんな思いで、株式会社四万十ドラマは「四万十川に負担をかけないものづくり」をコンセプトに、1994年に事業を開始しました。
四万十川に負担をかけないものづくり
私たちは四万十川の中流域にある四万十町(旧十和(とおわ)村)を中心に活動をしています。
創業当時、「まずは地域を知ることから」と、地域をまわり、十和のあしもとには何があるのか、どんな人が生活しているのかを調べました。
その中で見つけたのは、お茶、栗、野菜などなど。そしてそれらを作る生産者でした。
四万十川流域で活動し、四万十川の恵みで育ったものを使い、四万十川から名前を頂いているので、四万十川に負担をかけないように、地域にもともとあるものを、余計な手を加えず、地域の人たちで作っていく。そんなものづくりを心掛けなければならない。
そんな思いで、「四万十川に負担をかけないものづくり」というコンセプトを掲げました。このコンセプトのもとに、様々な活動を行っています。
四万十ドラマの取り組み
四万十ドラマは生産者とコラボして商品を作ったり、オリジナル商品を開発したりしながら、生産者と連携しながら加工、販売へと、四万十から全国へ商品や情報を発信をしています。
その商品の裏側には必ず生産者がいることを忘れずに、お客様に伝えることを心がけています。さまざまな生産者や産物がありますが、その一部を紹介します。
じつは茶どころ。「しまんと緑茶」
十和地区のお家の裏手には小さな茶畑を持つお茶農家さんがたくさんいらっしゃいます。急勾配の山肌に作られる茶畑は狭く、お茶を刈るための機械が入れない茶畑も少なくありません。ですので、十和地区のお茶は昔と変わらず、手摘みのお茶を出荷しています。
また、昼夜の寒暖差が激しいので、朝霧が深く、よいお茶が育つ環境でもあります。
十和地区の新茶は、甘く、優しく、甘みの中に渋みの残るお茶です。作り手と自然の優しさが入った、おいしいお茶ができます。
40年前の味で復活。「しまんと紅茶」
十和地域では、1959年に紅茶栽培が始まりましたが、外国産紅茶の自由化に伴い、紅茶の価格も低迷。1965年には十和地区から紅茶は姿を消しました。
それからおよそ40年後、復活した紅茶を「しまんと紅茶RED」というブランドで売り出しました。
揉み加減や発酵の時間などを人の五感で調整する昔ながらの製法で仕上げており、地元のお茶組合「広井茶生産組合」の矢野健一さんが作っています。湿度や温度の上がりやすい初夏になると、紅茶工房からはいい香りが漂います。
今では紅茶のスイーツも出来上がり、根強いファンがいらっしゃいます。
大きさと甘さが特徴。「しまんと地栗」
山が多い十和地区。田畑にできる土地は田畑にし、田畑にすらできない土地に換金作物だった栗を植えようとしたのが、栗の栽培の始まり。
最初は収穫量も歩留まりも悪かったのですが、岐阜県恵那で行われている剪定技術を四万十でも定着させようと、剪定士の伊藤さんに来ていただき、講習会を行ってきました。
剪定技術を取り入れたことや栗栽培に適した気候条件ということも相まって、栗の大きさは全国平均約20gに対して、四万十では約25g。栗を蒸した状態で糖度が20度以上になるという、大きくて甘い栗が採れるようになりました。
私たちはこの大きくて甘い栗をこの地域でできた栗ということで「しまんと地栗」と呼び、栗スイーツへ加工・販売しています。
農薬化学肥料不使用の野菜「桐島畑」
桐島畑の桐島さんは、慣行農業から転換し農薬化学肥料を使わずに、年間80種以上の野菜を栽培しています。
桐島さんの作るほうれん草は肉厚でとても甘く、また無農薬で作ることが難しいとされている生姜の栽培や、種も自家採取するものも多く、桐島さんの栽培方法は本で出版されているぐらい注目されています。
こんな野菜ができるのは、天候を考えて野菜を植えて、野菜や圃場を見ながら肥料をあげているから。
桐島さんは野菜を売るだけではなく、加工品も作っています。
代表的なのは、「ジンジャーシロップ」と「黒しょうが」。
シンプルな商品ですが、そのシンプルさに魅せられます。
わざわざ海水を四万十の山奥で天日干し「山塩」
四万十の山奥でお塩をつくる方がいます。
海の近くで作るお塩よりも時間をかけてゆっくりできた看板商品「山塩小僧」は、1粒が大きくて、しょっぱいだけじゃない、うまみのあるお塩ができます。
山奥は海辺と比べて、日照時間や気温の差が激しいので、お塩ができるまでの時間が季節や天候によって異なり時間もかかります。
出来上がるまでの時間が異なると、お塩の味も変わってきます。
ですので、森澤さんのつくるお塩は毎回少しずつ味が異なります。
それが、森澤さんが作る山塩の味。
四万十ドラマのどらま、始動します!
今、四万十で起こっているドラマを多くの地域の方に伝えたい 。
そして、 四万十ではどんな人がどんなことをどんな思いを持って生活してきたのか、四万十で紡がれてきた背景を皆さんと共有したい。
四万十ドラマや十和地区のことを中心に、私たちのあしもとである四万十川流域で行われてきたこと、起こっていることを皆さんに伝えていくスペースがこの『四万十ドラマのどらま』です。
四万十に魅力を感じてもらえるよう、編集部一同、頑張っていきますのでよろしくお願いします!