純栗モンブランの立役者“小澤幹さん”にお話を伺いました。

しまんと地栗工場ものがたり

皆さま、こんにちは!
ついこの間、初物の柿を食べて、「四万十の秋は一瞬で、すぐ冬になってしまうけれど、秋は秋なんだなぁ~」としみじみ感じたハナです。

さて、今回の記事は秋の味覚 栗の新商品「しまんと地栗 純栗モンブラン」の立役者についてです。

10月12日に新登場した「しまんと地栗 純栗モンブラン」。
純栗モンブランの商品開発にあたり、ご尽力いただいたのが、パティシエの小澤幹さんです。

先日東京から四万十に来ていただいた際に、小澤さん自身や純栗モンブランの経緯についてインタビューすることが出来ました。

その内容をお話いたします。

純栗モンブランについてはこちらの記事もご覧ください。

小澤幹さんとは

東京都大田区に本店を構える株式会社スイーツスタンダード代表取締役。
商品開発のプロデュースやノウハウ提供、OEM、本店Pâtisserie moa.の運営などに携わる。
(株式会社スイーツスタンダードホームページより)

そんな小澤さんですが、もともとは獣医になりたかったそう。ただ、狭き門なので、進学は難しく、ご両親からはすでに合格しているほかの大学に入学することを薦められたそうですが、小澤さんとしては続きそうになかったので、パティシエになる道を選んだそうです。

小澤さんのパティシエとしての道はここから始まりました。

19歳でパティシエの道に進み、世界的有名なパティシエのもと和スイーツブランド「和楽紅屋」や豆スイーツブランド「フェーヴ」などのスイーツブランドや様々なスイーツの企画開発、製造責任者として経験を積んできました。

そして、これまでの経験から、「日本の素材の良さを生かしたスイーツを作る」という分野での事業を立ち上げました。

そんなとき、NPO法人ETICからローカルベンチャーラボに参加しないかという話があり、テーマが地域商社だったので、小澤さんは能力が生かせると思い、参加されました。

このローカルベンチャーラボの地域商社を担当していたのが四万十ドラマだったことがきっかけで、小澤さんと四万十ドラマのつながりがスタートしました。

それから、四万十ドラマの商品開発や製造工程、新工場建設などへのアドバイザーとしてご尽力いただいております。

純栗モンブランが生まれるまで

小澤さんがしまんと地栗を食べて最初に、「栗そのものの味をあじわってもらいたい。栗ペーストをこのまま使いたい」と思ったそうです。

ただ、難点になったのは生クリームを使わないモンブランクリームの開発。

通常のモンブランに使用されるクリームは、栗ペーストや生クリームなどが使われています。四万十ドラマですでに販売している「しまんと地栗モンブラン」も無糖の生クリームを使ったモンブランクリームです。

モンブランクリームは薄めると当然風味が弱くなってしまいますが、そのままだと固くて絞りにくい。
そのため、何を栗ペーストに混ぜるといいのか、時間が経っても変化しないものにするためには、どのくらい混ぜればいいのかが分からないので、そこを探るために試行錯誤を繰り返したそうです。

ただ水を加えるとつまらない。ということで、四万十ドラマで既に使っていた栗の渋皮煮を作るときにできるシロップを使うことにしました。

しかし、シロップだけを使うと甘くなりすぎるので、一度水とシロップを合わせて火にかけたものをペーストと合わせることで甘さと固さがちょうどになりました。

これで完成かと思いきや、シロップと水を合わせて火にかけたものを入れすぎると、ペーストの上の方は絞りやすいが、下の方は水気が多くてべちゃべちゃになってしまうそう。
入れればいいというわけではなく、ギリギリのところで合わせなければならないことが分かり、何度も試作を重ねて、現在のモンブランクリームになりました。

たくさんのパターンを作って試作してきたが、天候などにより栗に含まれる水の量が変化し、製造ロットごとに水分量が若干異なるとのこと。

もちろん、その都度調整しなければならないのですが、そこは職人技。小澤さんと四万十ドラマのパティシエたちと連携し調整しながら作っています。

「シンプルだからゆえに難しさがある。
栗そのものの味を楽しんでもらえる商品だと思います。」

小澤さんのお話の中で特徴的な言葉でした。
シンプルだからこそ技術が必要とされるということを改めて感じました。

小澤さんに食べていただきました。「やっぱり美味しいですね」と一言。
そりゃそうですよね(笑)

モンブランクリームだけではなく、一番上にあるダイス状にカットされた渋皮煮があることで、栗の風味と味、食感をより楽しんでもらえるように工夫したそうです。

渋皮煮をカットしないで上に置くこともできましたが、その場合、渋皮煮をそのまま一口で食べてしまうかもしれないと思ったそうです。

そうなると、渋皮煮の食べ応えがモンブランを食べ終わるまでずっと続かないので、一口分取った中に一粒でも渋皮煮のカットが入っている方が食べるごとに栗の食べ応えがある方がいいと思い、渋皮煮のカットを上にトッピングしたとのこと。

このような食べるシーンもイメージしながら、商品開発を行っていただきました。

普通のモンブランと最も異なるのは生クリームを使っていないというところ。

小澤さんが長時間をかけて商品開発していただいた『しまんと地栗 純栗モンブラン』。

皆様、ぜひご賞味ください。
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