オーガニックへの挑戦!四万十川中流域でつくられる、地紅茶「しまんと紅茶」を未来へ繋ぐ産業に。

Writer みもと

紅茶と言えばまだまだ外国産を思い浮かべる人が多い中、じつは全国には知られざる国産紅茶の歴史や魅力があります。近年、大手メーカーからも続々と和紅茶商品が発売されるほど、今注目が集まりつつある、MADE IN JAPANの紅茶。その内のひとつである「しまんと紅茶」が、これまでの歴史を変える“オーガニック”化に向けての挑戦をはじめました。

■2023年産の「しまんと紅茶
■馬路村農協とコラボ「あうんアールグレイ

オーガニック紅茶への挑戦

(四万十の土地の力と生産者の情熱がつまった「しまんと紅茶」)

最後の清流四万十川の中流域では、この土地の風土や気候を生かし、 約60年前から「広井茶生産組合」のお茶づくりが根付いています。

緑茶・紅茶・焙じ茶など種類がある中、その歴史のスタートは意外にも紅茶から。外国産におされ一度は製造を断念するも、生産者の情熱をかけて見事18年前に復活した「しまんと紅茶」が2023年製造分からついにオーガニック化へ着手。自家発酵の技術で仕上げる「しまんと紅茶」の原料には、栽培期間中農薬・化学肥料不使用の茶葉のみを使用し、今年から新たな挑戦をはじめました。

(自身の茶畑から川を眺める広井茶生産組合の矢野健一さん)

しまんと紅茶のオーガニック挑戦に欠かせない人物が、合同会社広井茶生産組合の矢野健一さんです。自身もお茶農家でありながら、お茶の収穫シーズンには地元JAが所有する茶工場で受け込み・検品・製造もこなすスペシャリスト。

今回のオーガニック挑戦に至るまで、親世代から地域に根付いた四万十の茶業を、自分の子供たちよりも更に先の未来へ繋ぐには今どうするべきかを考え悩み、生産者や地域と何度も語り合っての大きな決断となったのでした。

(自家発酵で丁寧に製造された「しまんと紅茶」)

しまんと紅茶の魅力

(しまんと紅茶と馬路ベルガモットのコラボ「あうんアールグレイ」)

今年も6月中旬から始まった、四万十の夏摘み紅茶も製造のピーク。苦みが少なくあっさりした味の「しまんと紅茶」は、生産者の顔が見え、その土地ならではの味が楽しめる「地紅茶」としても親しまれ年間わずか200kgほどしか生産できない希少な国産紅茶のひとつです。

復活を遂げてから毎年商品開発を行い2021年には馬路村農協とタイアップした「あうんアールグレイ」を発売。その豊かな香りと味わいが人気を呼び、発売から2年が経過した今もなお注文が絶えず、しまんと紅茶の魅力と可能性が県内外に広がっています。

しまんと流域農業organicプロジェクト

(最後の清流「四万十川」この風景を守り繋げたい)

今回の紅茶オーガニック化への挑戦の背景には、100年後もこの地域の産業を残していこうと立ち上げた、「しまんと流域organicプロジェクト」の取り組みがあります。四万十の風景や自然を守る産業として、沢山の方々に応援していただける、時代に合ったオーガニック化への 挑戦こそ“自然が資本”である地方の今できる事だと信じています。

ぜひ、四万十の挑戦にご注目ください。私達は未来に本気です。