【四万十の新茶】僕らの村には「しまんと緑茶」がある!八十八夜の貴重な新茶を、地元小学生と手摘み体験しました。

Writer 佐竹

夏も近づく、八十八夜~。新緑がひときわ眩しかった2023年5月2日は、今年の八十八夜の日でした。一番茶の摘み取りをピークに迎えた山間の茶畑では、地元小学校の児童10名の元気な声が飛び交い、茶摘み体験を賑やかに実施。

四万十川流域で生まれたものの、下流域で育ったからかお茶の馴染みがほぼ無く、「八十八夜」といえば手遊びしか思い出のないスタッフ佐竹も、胸いっぱいに新茶の香りを吸いに子供たちに便乗して茶畑を訪問しました。

僕らの村には、しまんと緑茶がある!

(しまんと緑茶の一番茶は「手摘み」それを説明する広井茶の矢野さん)

四万十町十和地域(旧十和村)を中心とした、四万十川中流域はお茶どころ。60年程前からの茶産業が続き、混ぜられる原料として県外へ送られる時代から、「しまんと緑茶」として四万十の背景ごと売り込んだブランド化にも成功し、「しまんと荒茶」「しまんと紅茶」「しまんと焙じ茶」などを全国に向けて販売展開している茶産地です。

八十八夜のこの日、そんな地元のお茶を学ぼうと、四万十町立十川小学校の2年生と3年生の合計10名の児童が、広井茶生産組合の矢野健一さんのもとにやってきました。

(これかな?と真剣な眼差しの2年生)

矢野さんから簡単なレクチャーを受けたあとは、いよいよ自分たちでの茶摘み。まずはやってみよう!と、見よう見まねでお茶摘みがスタート。最初は遠慮がちに固まってとっていた児童たちでしたが、いつの間にか手元に夢中になって、茶畑いっぱいに広がって真剣そのものでした。
(まって、まってー!と追っかけ取材はお忙し)

(蒸れて傷むけん、ビニール袋は口をあけちょってよ。と矢野さんから呼びかけ)
(みてみて!ボクいっぱいとれたよ!と嬉しそうに袋の中をお披露目)
(児童の楽しそうな姿に、校長先生もたまらず茶摘みに急遽の参加。)

お茶はどうやってできるの?

( ちょっぴり名残惜しそうに、機械へと出発する茶葉を見送る児童たち。)

お次は、すぐ近くのJA茶工場にお邪魔した児童たち。工場内は前日までに集まった茶葉が、蒸して・かき混ぜて・揉んでと、順番に機械を通って加工されている真っ最中でした。爆音と熱気に溢れる現場に、ちょっとしたレジャーランド気分で足を踏み入れます。

うわぁ、なにこのいい匂い!

さすが、感性豊かな子供たち。工場の周りに漂う香りを、いち早く察知して鼻をくんくん。摘み取った茶葉をもって、工場内にドキドキの潜入です。

(さあ、どれくらい摘めたかな?まずは計量器にかけます。)

限られたわずか20分ほどの時間を使って、10名で力を合わせてとったお茶はどのくらいだったかドキドキの計量。

結果は、600g!

矢野「加工すると5分の1くらいに減るけんね、120gくらいになるかな?5個が1個になるがで。分かるかな?」

立春から数えて88日目の「八十八夜」にとった新茶は”縁起物”とされ、このお茶を飲むと昔から病気にならないと言われています。ナイスタイミングで茶摘み体験をした児童達のお茶が仕上がるのが楽しみですね。

興味津々の質問攻め

(事前に質問を用意してきた3年生たち!感心!)

何とこの日のために、学校で下調べをしてきたという児童たち。ノートにびっしりと質問事項をメモって来た子もいて矢野さんもビックリ!

(この純粋でまっすぐな気持ちに感激しました)

児童「工場でお茶を作るとき、失敗したらどうするんですか?」

矢野「後戻りはできないので、途中でなんとかやり直します。というか、失敗しないように作っています!」

(どんどんQ&Aが飛び交う中、気をよくした矢野さんがさらに詳しく説明。)

矢野「緑茶だけじゃなくてね、夏は紅茶も作ったり、ほうじ茶も。何種類も種類があるがで。」

児童「じゃあ、どれが一番おいしいですか?」

矢野「どれが一番ときたか...どれも飲んでもらいたいねぇ(笑)」

ちょっと試されるような質問をしてくる、児童達のまっすぐさ。それに少々戸惑いながらも、昔に比べたら日本の家庭でお茶を淹れて飲まなくなった寂しさを語ると、やはりそこは地元っ子、急須が家にあって日常でお茶を飲んでる家庭もあることにホッとした様子の矢野さん。

児童「若い人がもっとお茶を飲んだらいいですね。」

そんな言葉まで飛びだすあっぱれな小学生達に、終始にこやかな質問タイムとなりました。おみそれしました地元っ子たち!

新茶で一服

(丁寧に淹れてもらったもらった四万十の新茶)

陽射しも強かったこの日、たくさん学んだ後は、矢野さんが丁寧に淹れてくださった、しまんと緑茶の「新茶」で一服です。

ここ広井茶の茶葉を原料に使った、地元道の駅四万十とおわのオリジナル商品「しまんととおわサブル」をお茶請けに出すと、案の定群がる児童たち。

(道の駅四万十とおわの「しまんととおわサブル」をお茶請けに)

きっとこの子たちの八十八夜の記憶は、茶摘みの手の感触やお茶いい香りなんだろうな。そんなことを羨ましく思って嬉しくなった佐竹でした。児童のみなさん、先生方、JAさん、広井茶生産組合さん、楽しい時間をありがとうございました。

おまけ

何事も、けっこうカタチから入るタイプのスタッフ佐竹。見た目だけでも茶摘みの雰囲気をだそうと、誰から頼まれた訳でもなく勝手に「茶娘」の格好で参加。子供たちにはそこそこでしたが、先生方には大ウケ!この分だときっと、普通のくるぶしソックスを足袋みたいに履いていることはバレていないでしょう(笑)