【いも大豊作】芋スイーツの原料「人参芋」が、四万十で過去最高の大豊作!

Writer 佐竹

高知のイモと言えば「芋けんぴ」に「芋天」が有名かもしれませんが、密かにブームを巻き起こしている「ひがしやま」はご存知でしょうか。
高知県西部の四万十には、四万十川流域界隈で栽培しているサツマイモの一種「人参芋」があり、昔から干し芋の原料としても親しまれてきた希少な地域資源の一つです。

その「人参芋」の生産量を増やし、付加価値を付けてこだわりのお菓子販売に取組む四万十ドラマが、生産者と共に2022年に過去最高の大豊作を迎えていた事をご報告します。

地域の希少な資源「人参芋」

(取組みのきっかけとなったグループ「東富山」のみなさん)

四万十川流域界隈で栽培される「人参芋」は、凍えるような寒い季節に天日でじっくり干して、食べる時はストーブなどで炙って食べるのが通な、干し芋「東山(ひがしやま)」の原料です。

(天日でじっくりと作る干し芋「東山」)

人参芋は、東山以外にしたち、うもうないで。』

(干し芋以外では美味しくないという意味)

生産者だけでなく、地域の人達が口をそろえて言うくらい、長年干し芋以外の需要がなかったニッチな作物「人参芋」ですが、その干し芋「東山」は絶品で、毎年限られたシーズンしか出回らない人気の伝統おやつでもあります。

そんな希少な「人参芋」との出会いは、今から8年ほど前。四万十市片魚の東富山地区の生産者達から、衰退しているこの人参芋栽培を何とか残していきたいと相談を受けたことがきっかけでした。

(東富山芋部会の代表を務める東さんを訪ねて)

若者はどんどん地元を離れ、後継者が不在のまま「人参芋」産業もまた廃れていく一方の田舎の悲しい現実。そこで、「このままではいかん!」と栽培仲間を年々増やし、そこから生産者と共に人参芋の産地化を目指す事となったのです。

そして2021年には「四万十の芋プロジェクト協議会」も発足し、化学肥料・農薬不使用の「自分達で決める農業」のこだわりを持ちながら、四万十の一次産業を生産者と共に守り繋いでいます。

2022年は予想を上回る大豊作!

(出荷時は生産者も協力し合って芋を運びます)

約8年前に、1グループの300kg程から始まった「人参芋」の供給は、生産者が生産者を誘ってその輪を広げ、四万十町、四万十市、黒潮町と3市町村をまたいで、2022年には40件にまで拡大しました。

(2022年10月収穫前の「目慣らし会」で集まった人参芋生産者の皆さん)
(4~5月の植え付け時と夏の成長期の芋畑の様子)

春の植え付け前には、40件(団体含む)で30tの収穫量の計画でスタートしたメンバーでしたが、2022年は例年以上に秋口の天気が良く順調に生育。10~11月の収穫期に掘り出すと、ゴロゴロと大きなサイズの芋がとれてビックリ!

予想を大きく上回る、45t以上の大収穫!

こうして昨年は、夢に芋が出てくるほどの大豊作となり、「しまんと地栗」が台風によって収穫不足で落ち込んでいただけに、弊社にとっても大きな喜びとなりました。

(早いメンバーは9月に掘り上げて出荷まで追熟させます)
(新メンバーの若手生産者も手応えを感じる良い年となりました)

人参芋を原料にした芋スイーツ

(人参芋を原料とした自社製品「いも焼き菓子ひがしやま。」)

人参芋の生産量を増やしながら、並行して「出口」となる販路開拓を行うのが、地域商社の腕の見せ所です。火を通すと甘くてねっとりした食感になる「人参芋」の特徴を活かして、2005年に満を持して発売したのはいも焼き菓子ひがしやま。という名の、スイートポテト風焼き菓子でした。

当初は、一枚ずつ手絞りで日産1,200枚ほどだったものを、現在は新工場にて一部機械作業を導入しながら、10,000枚までへと急成長。
添加物を使わない製法と素朴な味わい、もっちり食感が人気を博し、

累計販売枚数「100万枚」を突破!

干し芋でしか出番がないと言われた「人参芋」は、SHIMANTO ZIGURIスイーツにとって無くてはならない存在に成長しました。

(ゴマの香ばしさがアクセントのもっちりスイートポテト)

人参芋はその他にも、2021年7月に発売した焼きいもモンブランの原料としても活躍し、今年2023年にも新たな加工品を発売予定でまだまだ可能性を広げています。

こうして私達四万十ドラマは、地域の素材に「光」をあてて商品化し、新たに付加価値をつけて販売することで、地域を活性化して再生する仕組みづくりをしてます。

『いも焼き菓子ひがしやま。って美味しいなー。』

『へぇ、人参芋ってサツマイモがあるんだぁ。』

『面白そうだから、四万十を応援してみようかな。』

そんな気持ちになってもらえるのが、地域商社四万十ドラマの喜びです。