お盆が過ぎ、朝晩すっかり肌寒くなってきた四万十は、まもなく本格的な栗シーズンに突入します。連日あいにくの雨が続くなか、今週から地元JAさんでは四万十の栗”しまんと地栗”の受け入れがスタートしました。
「今年の栗の出来栄えはどうかな?よし、栗農家さんに会いに行こう!」
さっそく、社員数名で近くの栗農園にお邪魔してきました。
冒険へ出かけるような栗園地
足元が悪い小雨にも関らず、笑顔で迎えてくれた栗農家さん
綺麗に整えられたお庭を見ているだけで、ああこの方が栽培する栗園は素敵に違いないと胸がワクワクしました。
まず、ご案内頂いたのはご自宅の裏山の栗園。
「ほ~ら見てごらん、この裏山が一面栗畑ですよ!」
ご自宅の庭から眺めると、視力の低い私でも栗が大粒だとはっきり見て取れ、一同から歓声があがりました。
「さあ、登ってみましょうかね。」
ハアハア、、、、平均年齢34歳の私達メンバーが静かに息切れするなか、ひょいひょいと踊るように駆け上がる御年84歳の栗農家さん。
こういう元気な諸先輩方が、地域を支えているんだとひしひしと感じながら、必死に後をついていきました。
栗栽培で大切なこと
栗園の中腹までくると、下からみた景色とはまた異なり、その傾斜がいかに急で危ないか、身をもって感じました。
栗栽培で大切なのは、草刈り・剪定・日当たりだと語る園地には、一面に茅のような植物が山肌を覆うように生えています。
「毎年春ごろになると、勝手にこれが一面に生えてくれ、雑草が生えなくなりましてねえ。夏には土の保湿もしてくれて助かります。」
植えた覚えがないこの植物のおかげで、たった一人で管理している約1haの栗園に手が行き届いているのだという。草刈りは、一番体力の奪われる夏場の管理。この植物は今や、栗の次に相棒のような存在に見えました。
四万十川を眺める山肌にそびえたつ栗
今年のお盆に直撃した台風10号の被害は幸いにも影響はなく、ホッと胸をなでおろしたと言います。
栗栽培で大切な剪定には特に力を入れ、樹々を囲む通路や日当たりを考えながら2~3年先の状態を考えて工夫されているそうです。
園内を見渡すと、それは素人目にも一目瞭然で、剪定した効果がやっと出てきたと嬉しそうな栗農家さんの口調にも力がこもっていました。
今回お邪魔した栗農家さんが栽培する栗のほとんどは“中生(なかて)”の品種のため、まだまだイガは青いのですが、見るからに大粒の身を蓄えていそうなその形は、大きな楕円型をしており、細い枝に堂々とぶら下がっている姿は圧巻でした。
傾斜がきつい栗園では、収穫時にはその傾斜を活かして最下段に柵や網を張り、転がってくる栗をキャッチしているそうです。
「反対に平地だと、収穫に腰を痛めるかもしれんね~。」
この立地をプラスに捉えて、この傾斜もなんのその。
9月中旬ごろの収穫が楽しみだといいながら、事務所に飾るかえ?とあっさり枝をポキポキ折って持たせてくれました。
課題はどこも同じ
今年の収穫を楽しみにしつつ、今後の一番の課題は”後継者がいない”という事だそうです。栗に関わらず、地域の様々な一次産業の現場では後継者不足が課題になっています。
そんな地域の現状に、いまの私達に何ができるのかを考えたとき、この四万十を一人でも多くの人に知ってもらう発信に力を入れていけたらと、栗農家さんの笑顔と最後まで実らなかった未熟な栗たちを見て思ったのでした。
しまんと地栗の新栗商品、予約受付は間もなくスタートです。
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