四万十ドラマが製造する「いも焼き菓子ひがしやま。」は、地域の伝統おやつの干し芋「東山」を模した洋菓子です。原料はいずれも人参芋と呼ばれる色鮮やかな甘くてねっとりしたサツマイモの一種。それを育てる生産者のみなさんを集め、今年も植え付け現地研修会が行われました。いつも賑やかな皆さんにお供したスタッフ佐竹が、当日の様子をリポートいたします。
まずは軽く近況報告
この日は、四万十町内の十和・大正・窪川地域の生産者が15名ほど集まって現地研修会を開催。会場となるのは、この1週間ほど手前に植えたという十和地区代表の(株)しまんと流域野菜の圃場。現地に向かう前に、弊社代表畦地より現在の販売状況や今後の販売戦略などについて少しお話をさせていただきました。
人参芋を原料に「いも焼き菓子ひがしやま。」「いも菓子アイスひがしやま。」「焼きいもモンブラン」などを次々と製品化し、しまんと地栗工場から全国各地にお届けしています。
育てた人参芋がどんな製品になって、どこで販売されるか、そして反響はどうだったかは生産者の意欲に繋がる大切な部分です。
そして挨拶の後は、なるだけ車を乗り合わせて、現場にGO!
都会や街中の建物ならナビがあれば辿り着くでしょうが、田舎の山の中ではそうはいきません。
・山道で車を停める所が少ない
・ナビはおろか口頭でも説明できない
・迷子になって連絡しようにも電波が入らない
などの理由で、こんな時の乗り合わせは田舎あるあるなのです(笑)
現地研修会
四万十の芋プロジェクト協議会のメンバーは、四万十町・四万十市・黒潮町など広範囲にわたるため、日照時間に限らず山土や砂地など環境はバラバラです。山の中のこういった人里離れた圃場では鳥獣被害があるため、畑の周りにはぐるりとイノシシ除けの電柵が設置されています。
この日一番盛り上がったのは、芋のつる(苗)のさしかた。広大な土地の大規模農業と違い、山の狭い土地でこま切れに植える生産者が主で、いまだ植え付け&収穫は手作業のメンバーもいます。
「えいもん作っちゅーねー。」
「わしのは、ほれ、こんな感じよ。」
まだ代表が話しているのに、ちょっと目を離すと口々に盛り上がる生産者のおんちゃん達。
でも、こういう交流が大切なんですよね。
四万十の芋プロジェクト協議会
地域の課題となる一次産業の高齢化や後継者不足、耕作放棄地や遊休農地の課題を様々と抱えながらも年々芋の生産者メンバーが増え、本年は44名で取組みます。
バラバラにただ生産して出荷するだけではなく、農薬化学肥料不使用の栽培で「自分たちが安全の基準を決める農業」を本格的に目指す節目として、2022年3月11日に「四万十の芋プロジェクト協議会」を発足しました。
取りまとめの事務局を(株)四万十ドラマに設置し、植え付け、収穫、選別、種芋の管理など、各々の畑の状況をみながら生産拡大に繋げる情報共有を行っています。
次の集まりは、収穫スタートのタイミングをはかる秋の目慣らし会を予定。朝晩が冷え込む山間部の圃場はまだ植え付けが終わっていないため、メンバーが無事に植え付けを終え、立派な人参芋が収穫できることを願うばかりです。