
6月1日に鮎解禁日を迎え、今年の鮎を待ちわびていた川漁師さんたちが、四万十川で鮎釣りをしている姿があちらこちらに見えます。
【調理済】レンジで3分 天然鮎の塩焼き
【未調理】旬の釣りたて鮎を即冷凍
今回はちょうどオフィスから3分ほど歩くとすぐのところで鮎釣りをされていた矢野健一さんにお話を伺うべく、河原に下りてインタビューを行ってきました。

なかなかこんなに川が近くにあっても、アウトドア派ではない私は河原まで降りたりする機会がないため、今回の取材で数年ぶりに河原に降り立ち、石の滑り具合にひゃーひゃー言っていたことでした。(汗)
やっぱり川の近くから見る景色は違いますね!
涼しい風がそよぎ、メダカは群れたり広がったりしながら泳ぎます。川は慌ただしい人々や世界の情勢とは関係なく、そこには日常を忘れてしまうほどのゆったりとした時間が流れていました。

四万十川と共に暮らす
この日鮎釣りをされていた矢野健一さんは、鮎の時期は漁師となり、お茶の時期はお茶の加工や紅茶製造にいそしむなど、まさにここでしかできない暮らしを1年1年サイクルして過ごされている方です。
まさに四万十と一体となり、四万十川を知り尽くしておられる健一さんに、今年の鮎の具合や鮎の釣り方などを教えていただきました。
※鮎釣りには遊漁券が必要です。

畦地 「今年の鮎はどんな?」
矢野さん「今年は天然が多い。真っ黄色。」
(四万十川には放流された鮎と天然の鮎がいるそうですが、天然の鮎は横腹が黄色いことが特徴。)
畦地 「大きさは?」
矢野さん「まだ小さい。けんど身が引き締まって美味しい。」

今釣ったばかりの天然の鮎を見せていただきました。
活きが良くておいしそう!

手長エビも混じっていたりして。
矢野さん「今年は遡上がものすごくよかった。2週間から3週間くらいずっと登りよった。」
畦地 「昔はよく、あの橋の上からみんな鮎が遡上してくるのを眺めたもんね〜。」

鮎の遡上(そじょう)とは?
鮎は秋に川の中流域に産卵しますが、孵化した幼魚は海に流されます。海中でプランクトンを食べて冬を越した鮎の稚魚は、春から夏にかけて川を上ります。これを「遡上」する、というのですが、これが天然の鮎。海からの長い長い道筋である川を上ってくる鮎の遡上は、地元の人々にとっては初夏の一大イベント、だったのですね。

四万十川は広いので、健一さんはこの船で川の中ほどまで漕ぎ出します。船を岩に固定しておいて、船から下りて歩いて鮎を泳がせながら釣ります。

鮎漁:友釣り
「友釣り」という方法で釣りをされていますが、みなさんは「友釣り」がどういうものかご存知ですか?

おとりの鮎に針をしかけておいて、自然の鮎の縄張りになる岩場などにおとりを泳がせ、鮎がおとりに体当たりをした際に針が引っかかって釣れるという方法だそうです。
地元では“友掛け”と呼ばれる友釣り漁では、8m以上もある竿に、 ハナカン・尾針(逆バリ)・三本針(かけ針)の3つの針が仕掛けられ、その内2つの針を生きたおとり鮎の①鼻の穴、②尻ヒレにセットして構えます。

水中に優しく放ったおとり鮎を、いかに自然に川の中で鮎を泳がせるかが、川漁師の腕の見せ所。
鮎は、縄張り争いが強い魚で、自分以外の鮎がいると、自分の食べている石のコケを狙われたと思い、体当たりしてきます。 友掛けではその習性をうまく利用して、仕掛け糸の一番先端につけた③三本針に引っ掛けて釣り上げるというのです。 友という名がついているので、一見仲良し作戦かと思いきや、ケンカをさせて釣るという意外にも荒々しい漁法なのです。
釣りはエサかルアーで釣るものと思っていた私は、生きた鮎をおとりに釣るという方法を初めて認識し、こんな釣り方があるのかと仰天しました。おとりの鮎は弱らないよう、健一さんは釣った新鮮な鮎をおとりにしてまた釣るという方法をとっているそうです。
そして鮎漁には、他にも火振り漁や投網漁などいろいろとあるみたいです。興味深いですね〜。
健一さん、定員10名ぐらいで「夏は鮎まつりや」と張り切っておられました。
そんな健一さんの鮎の美味しい食べ方は、
- シンプルに「塩焼き」
- 保存も効く「ひらき」
- 地元のおばあちゃんが作った「甘露煮」
だそうです!…鮎が、食べたくなりましたね。
最後に健一さんにとっての四万十川とは?
「一番身近な、大事なもの」
「川がなかったらここにはいなかったと思う。」
そう言う健一さんの後ろで、四万十川がさらさらと流れておりました。
▽四万十の鮎、販売しています。▽
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【未調理】旬の釣りたて鮎を即冷凍