6月10日。
今日は一日雨です。
週間天気予報では、今日から1週間ずっと雨ばっかりだそうで、本格的な梅雨が始まったなぁと思います。
つい2日前に今年初めての蛍を見ることができて、風呂上りに30分くらいぼぅっと眺めていました。また明日も見よう!と思ったら、次の日は気付くと22時。もう蛍はいませんでした…
また蛍を見れますように~!
さて、今回は、太平洋と四万十川の近くにある「いちえん農場」さんのお話です!
この方がいちえん農場の一圓信明さんです。
いちえん農場は四万十市名鹿(なしし)という四万十川の河口近くで太平洋を一望できる高台にあります。養鶏と果樹栽培、販売を行っています。
この方がいちえん農場代表 一圓信明さん。つられて笑顔になりそうなくらいの満面の笑顔。私が初めてお会いした時の第一印象は「明るい。テンションが高い」です。後から分かったのは、頼まれたら断れない優しさの持ち主だということ。
聞いた話によると、集落の中では若手の信明さん。何かと頼りにされており、家が何軒も並ぶ斜面の大木を切ってくれるかと区長さんからのお願いがあったそうです。その大木を切るには命がけだそうで、しかも、信明さんは素人。でも引き受けたそうです。
そのほかにもいろいろなエピソードがあり…
3年くらい前から農場でヤギを飼い始めたそうですが、「果樹のやわらかい新芽を食べてしまう」と笑っていたり。
夢は漁師になりたい!そう。船舶の免許をとって、船も買って、準備は万端。農業を極めるよりも、衰退する地域の漁業を失いたくないと思っていたり。
柑橘を育てるのがとても好きで、実がつくまでの工程がおもしろくて好きなんだとか。実がなったとたんに興味が無くなっていくので、実=金に見える奥様に後は託すという平和な分業制が整っていたり。
催事に鳥の血が付いたズボンをはいて行って、そのまま販売。それをネタにしてお客さんをいじっていたり(笑)
どこに行っても、あのキャラは絶賛される
以前県外での販売に同行したことがあるスタッフ佐竹のお墨付きです(笑)
農業を始めたきっかけは「面白そうやな」。
信明さんはお父さんがやっていた農業を見て、「面白そうやな」と思ったのがきっかけで、農業を始めたそうです。
いちえん農場は信明さんで4代目。
元々は安芸で漁師をしていた一圓一家。長男ではなかった信明さんのひいおじいさんはふらふらっと旅をしながら流れ着いたのが今の名鹿でした。
住みだした当初は伊勢海老などの弱りにくいものを獲っては船で漁協まで売りに行っていたそうです。
ただ、当時は木炭などの腐らないものがよく売れていたそうで、ひいおじいさんは苦労したそうです。
・・・このお話、いつのことだと思いますか?
不思議に思ったので、伺ってみると、「うちのばあちゃんが大正初期の生まれやけん…」
てことは、明治時代?!
伊勢海老が獲れたり、木炭がよく売れていたりなんて、イメージできないですもの。
「櫓をこいで行って、ルアーをつけた手釣り用の糸を持って、ルアーを泳がすと、鰹がむちゃくちゃ釣れたって。今の80~90歳くらいの漁師さんから話を聞いて、『嘘やぁ~!』って言うたけど、ほんまらしいわ」
というお話を聞いた時は、つい、うそやぁ~と思ってしまいましたが、顔に出ていたのか?
「いや、まじまじ。ほんまに釣れたがやと」と念押しされました(笑)
ただ、氷がなかった時代なので、売り物には出来ず、各家庭で食べる分しか獲っていなかったそうです。
年間育てる土佐ジローは1200羽以上!
さて、農場の話に戻りまして、柑橘栽培を始めて少ししてから、養鶏も始めたいちえん農場。
信明さんが中学生のころ、高知県の職員さんがいちえん農場に来て「柑橘栽培と並行して土佐ジローも育ててみんか?」というお話をもらったのが、きっかけ。
当時は飼育数も少なく、卵価も安かったので、収益の足しに飼っていた程度だったそうです。
土佐ジローは飼育条件が結構厳しく、
①放し飼い
②PHF、非遺伝子組み換え品、緑餌を与える
③小屋の1㎡あたりの飼育数は4羽
④放飼場は太陽光が差し込むように屋根がなく、下は大地である
⑤雌雄同居飼育
この条件をすべてクリアしたものが「土佐ジロー」として販売できるんだとか。
(PHF・・・ポストハーベストフリー。農作物の残留農薬対策済み。飼料の収穫から出荷までの期間、虫による被害防止のための農薬を散布していないということ。)
そして、土佐ジローは卵を産むようになるまで150日、卵を産むのは300日。
しかし、産卵率が一般の鶏よりも低い土佐ジローは、産卵率が5割ほど。
季節によって産卵率も変わってくるとのことで、2ヶ月に1回ヒナをいれ、安定して卵がとれるようにしているんだそうです。
「土佐ジローはひよこは高い。飼料も高い。のに、卵は産まない。時々なんでこんな鳥飼いようがやろう?って思うもんね(笑)」
と信明さんはおっしゃいます。
なんででしょう。土佐ジローへの愛情しか感じませんでした(笑)
そんな土佐ジローは年間1200~1500羽程がいちえん農場で暮らしています!
土佐ジローが暮らす場所は農薬化学肥料不使用の柑橘畑!
土佐ジローの放し飼いの場所は、柑橘畑。およそ50,000㎡!
信明さん曰く「無駄に広い(笑)」
確かに(笑)
そして、いちえん農場では、「本当に美味しいものを食べてほしい」「豊かな自然環境を守っていきたい」という思いで化学農薬、化学肥料、化学薬剤を使用しないモノづくりを行っています。
化学農薬、化学肥料、化学薬剤不使用の50,000㎡の柑橘畑に放し飼いの土佐ジロー…
てことは、土佐ジローが柑橘畑の下草を食べてくれて、草刈りいらず…?
と思いましたが、そう甘くはありませんでした。
土佐ジローも下草を食べてくれてるそうなんですが、それ以上に草の成長が早く、草刈りをしないと果樹が下草で覆われてしまうんだそうです。
上手くはいきませんね…
土佐ジローが食べているのは、柑橘畑の下草やいちえん農場で配合された飼料、昆虫、ミミズ、家庭菜園の野菜まで(笑)
いちえん農場の土佐ジローは四季折々の食材を食べているので「めっちゃグルメ」だそうです。
書きそびれましたが、いちえん農場では、農場と道を分ける柵はありますが、農場内の仕切りはありません。農場には居住区域も車が移動するための道もありますが、土佐ジローはそんなことお構いなし。
だから、家庭菜園の野菜も食べられちゃうんですね(笑)
また、放し飼いは獣に襲われやすくなるというデメリットもありますが、このデメリットよりも土佐ジローがのびのびと暮らせるメリットの方を大事にしたそうです。
こういう自由な環境だからこそ、土佐ジローもストレスフリーで暮らせているんだとか。
一度会ったら忘れられない一圓信明さんと、いちえん農場と、ストレスフリーでグルメな土佐ジローのお話でした!
おまけ
いちえん農場の土佐ジローの卵はいちえん農場HPと弊社通販サイト「SHIMANTO ZIGURIストア」からご購入いただけます。