【新茶の季節になりました】四万十川沿いのお茶工場ではお茶の受け入れが始まっています。

Writer 神尾

4月16日。一昨日までの強風も止み、からっと晴れた茶摘み日和に、四万十町十和地域にあるお茶工場では、新茶を作るためのお茶の受け入れがスタートしました。

今年のお茶はどんな感じなのかお話を聞いたり、茶摘み体験をしたりしました!

今年のお茶はどんな感じなのでしょうか?

先日広井茶生産組合の代表、岡峯久雄さんにお茶の成長具合を聞いたところ、「(茶摘みの)初日にはまだお茶が伸びてないかもしれん。取材に来るなら、週明けの20日ごろがええぞ」と教えていただきました。

にも関わらず、初日に取材に行くという…(笑)
初日を押さえないわけにはいきませんよね(笑)
というわけで、まず朝一でお茶工場に行きました。

JA高知県が管理する茶工場。お茶の時期になると、広井茶生産組合のお茶農家がこの茶工場で働きながら、お茶を作っています。

「今日はどれくらい来ますかね?」と刈谷さん。「まだ伸びてないけん、次の雨が上がってからの方が(収量が)増えるがやないろうか」と工場長の駄場さん。

「ここ(茶工場)の近くで茶摘みしようけん、見学に行ったらえいわ」と言ってくださったので、矢野さんのお茶園にお邪魔すことに。

矢野さんの茶畑で作業していた方にお話を伺うと、今日は採れる茶葉はほとんどないとのこと。

「最近冷かったけん、お茶が伸びてないわ。遅霜が降りるよりはえいけどねぇ」とお話してくださいました。

今年の茶摘みの時期について伺うと、「この前まではだいぶ暖かかったけんねぇ。ここ数日の冷え込みの影響を考えても、去年よりは早いと思うで。」

なるほど。

綺麗に手入れされた茶畑と、そこから眺める景色がとても素敵でした。

「採れるお茶もないけん、こっからの景色を眺めゆうがよ。いい景色やけんねぇ」と、地元の方のお墨付きの景色。
いつもと同じ景色ですが、春しか感じられない雰囲気に、私もついつい眺めてしまいました。

お茶工場に戻ると、通称「茶ボス」岡峯さんの登場(笑)
会って開口一番、「こないだ言うたろう。今日は(茶葉)ないぞって」
すみません。だって、初日やし、見てみたかったんですもん…

「うちの茶畑やったら、ちょっと伸びちゅうところがあるけん、そこで茶摘みするかえ?」といご提案をいただいたので、「ぜひ!!」と即答(笑)

早速岡峯さんの案内で茶畑に行くことに。
途中、民家の前で岡峯さんが車を止めたので、何事かと思うと
「ここのバラ、きれいやろ。うちの庭やけど(笑)」と岡峯さん。

満開に近いバラが塀一面に咲いていました!
…自慢気に話す岡峯さんをかわいいと思ってしまったのは内緒の話(笑)

さて、本題の岡峯さんの茶畑に到着!

岡峯さんは茶畑を何ヶ所か持っていますが、今回伺った茶畑には「やぶきた」という品種と「さやまかおり」という品種が植えられていました。

「やぶきた」を中心に茶摘みスタート!

時間の都合上、一時間ほどしか体験できませんでしたが、「今日の仕事、これだけがいい…!」と思ってしまう時間でした。
日差しと風のバランス、鳥の鳴き声と川の音がいい感じのBGMになり、心の底から落ち着く時間でした。

写真を撮りつつ、茶摘みをすること一時間。たくさん摘んだ気になっていましたが、出荷用のネットに入れると、なんだか持っていくのが申し訳ないくらいの量に…(笑)

ネットの方が重いのではと思いながらお茶工場に戻りました。

はかりにかけると700g…!
正直、500gくらいかなと思っていましたが、700gあるってことは、ほぼ1㎏!と思ってしまいました。

「ほんで、袋が300gやけん」と衝撃の一言。
茶葉を入れていたネットの重さが300gだそうです。
あれ、ってことは…

「400gやね」
ですよね。

出荷するときに使用できるネットは決められていて、ネットに入ったまま茶葉を計量した後に、ネットの重さを引いているんだとか。

よくよく考えれば、そうですよね。料理をするときでも、お皿の重さを引いて計りますものね。
失礼しました…

茶葉の入ったネットを広げて匂いをかいで「うーーん」とうなる岡峯さん。
「どうしたんですか!?」と一気に不安になって尋ねると、
「新茶のええ匂いがする(笑)」

どこかダメなところがあったのではないかと焦りましたが、一瞬でその緊張もほどけました(笑)

計量を終えた茶葉は、階段状になったベルトに入れられます。
そこで、茶葉の品質を見ます。

そこで等級がつけられ、等級ごとに次の機械に振り分けられます。
次の機械は下から湿度のある風が送られる機械で、茶葉の乾燥を防ぎます。

なぜこの作業が必要かと言いますと、加熱したり、揉捻したりする機械を動かすためには一定量の茶葉が集まらなければならないのです。

しかし、この十和地域では小さい茶畑を持ったお茶農家さんがたくさんいらっしゃいますので、1軒の出荷で機械を動かせるほどの収量を上げることが難しいのです。

そのため、複数のお茶農家さんの茶葉を混ぜて、等級別に加工を行います。しかし、午前中に持ってきた茶葉と、夕方に持ってきた茶葉だと、乾燥などにより茶葉の痛みに差が出てしまいます。
それを防止するための機械がこちら!

茶葉ができるだけ傷まないように保管しているのが、この機械です。

私たちが積んだ茶葉も機械に入れられました。
奥の方にあるのが、茶葉です(笑)

その様子を見て、刈谷さんが「あれ、取り残された茶葉の量やね」と一言。

間違いなく私たちが摘んだお茶なのですが、そう言われるとそのようにしか見えません(笑)

余談ですが、私たちの茶葉が一番乗りでした!
最も求められるのは茶葉の質ですし、お茶農家さんには茶摘み以外のお仕事もありますし、効率よくまとめてとった方が良いのは十分分かっているつもりです。
が、一番乗りはなぜか気持ちがいいですよね(笑)

加工の全工程を見る時間がなく、ここまでで失礼しましたが、その後、加熱、揉捻されて、一番茶になるそうです。

「今年のお茶の出来はどうなるでしょうか」と伺うと
「今年もおいしいお茶になるろうね」とのこと。

私は急須でお茶を入れる習慣がほとんどありませんが、広井茶生産組合でつくられている「しまんと荒茶」は急須で淹れると香り高く、優しい味がするので、大好きです。

そんな「しまんと荒茶」の先行予約が通販サイト四万十とおわ村でスタートしております!

予約対象の「荒茶」は先述しましたが、茶葉ですので、急須で淹れなければなりません。
この機会にお茶を淹れる時間を楽しむのも一興かと…

発送につきましては、5月7日以降順次お送りいたします。
詳しくは通販サイト四万十とおわ村まで。

おまけ

この春、しまんと緑茶としまんとほうじ茶のパッケージがリニューアルいたしました!

中身のお茶は変わりませんが、パッケージが新しくなります。
新しいパッケージがこちら!

長年たくさんの方に愛されてきたしまんと緑茶としまんとほうじ茶。
新しいパッケージもどうぞよろしくお願いいたします。

旧パッケージの商品在庫が無くなったお茶から、順次新パッケージのお茶へと移行中です。

パッケージリニューアルの裏話などは、近々インタビューを行う予定です!

お楽しみに~!